呼吸器内科看護師の役割

呼吸器内科看護師の役割

呼吸器内科看護師は呼吸整理の把握が必須となっています。呼吸整理とは、「ガス交換・運搬」「換気量と死腔・換気血流比」「肺胞気動脈血酸素分圧較差（A-aD02）」などを指します。これは、呼吸器の疾患を抱える患者の看護を担当するにあたって必要な知識です。また、胸腔ドレーン挿入・抜去の介助を行います。胸腔ドレーンとは、胸腔内に溜まった空気や液体を排出する治療のことで、呼吸器内科看護師は患者への声かけやバイタルチェック、物品出しなどの役割を担います。

複数の患者を担当する

呼吸器内科は慢性期の病棟が設置されていることが多く、1人の呼吸器内科看護師が担当する患者の人数は複数になります。肺がん患者には抗がん治療を実施するため、長期的に関わるケースも多いでしょう。病棟内は他の診療科と比較して落ち着いた雰囲気といえます。また、病棟で終末期・看取り期を迎える患者もいます。

仕事内容

慢性期の病棟なので、上述の通り雰囲気は比較的落ち着いています。しかし、1人あたりの受け持ち患者が多いため決して業務が楽なわけではありません。自分が受け持つ患者の状態や全体のスケジュールを把握して、臨機応変に業務を行っていきます。
呼吸器内科には手術を必要としない患者が入院しているケースも少なくありません。肺炎の患者に対してケアを行う際は、酸素吸入療法が用いられます。酸素吸入療法を実施するためには、鼻カニューレや鼻マスク、リザーバーマスクが必要になります。また、呼吸器内科看護師として働く際に必須なのが、肺がん患者のケアに関する知識です。進行がんの患者が手術適応外で入院するケースも多く、その場合は抗がん剤治療や放射線治療がメインになるでしょう。抗がん剤治療や放射線治療には副作用が生じます。そのため、副作用のケアも呼吸器内科看護師が担う重要な役割の1つです。なお、外科的治療が必要となる患者は呼吸器外科に入院します。
進行がんで入院している患者の中には、終末期の人もいます。残された時間の中で可能な限り苦痛なく過ごしてもらうための緩和ケアを実施する機会もあるでしょう。また、肺がんの進行によって胸水貯留や肺炎などの症状が出ることもあります。肺機能の低下によって少し動いただけで呼吸困難になる患者もいるでしょう。ちょっとした動作でも苦痛を感じる患者の場合は、ベッド上で安静がとれるように介助を行います。長い治療の間、患者のADLが低下していく中でどれだけ苦痛と症状を緩和することができるのかが重要です。